<Liver trial>
目映い光に眼が眩み思わず眼を瞑った。
瞼を閉じても感じる強い光が止むとはゆっくり眼を開けた。
すると、其処は先程迄自分が居た場所とは明らかに違っていた。
先程迄いた場所は暗くて光のない世界。
闇しかない世界だった。
所が、今がいる場所は闇しかない世界等ではない。
光はある。
影もある。
でも不思議な浮遊感だけは拭えない。
「何?此処…」
華やか…と言えるだろうか。
可愛らしい物等ないが特に不気味な物もない。
「さっきの場所は…?」
また自分1人しかいない世界にいる。
その事に不安を隠しきれない。
「…ッ何?!」
不意に襲う頭痛。
ドクンドクンと心臓の音が聞こえる。
余りの痛さには立っていられなくなった。
そして、ズルズルとしゃがみ込む。
「痛……い…」
頭を抱え込んでも一向に良くなる気配はない。
寧ろ余計に頭痛が酷くなる。
「何…コレ…?」
不意に脳に過ぎる映像。
その映像はが体験した物ではない。
…栞の母親の姿が見える。
そして、写真でしか見た事のない栞の父親の姿も…。
追い掛けられる栞が転ぶ。
そして母親が栞を捕まえる。
「やッ…!」
現実味のない…夢でも見ているかの様……。
栞はその後母親に殺された。
惨いやり方で、唯家族が仲良く過ごせる様にと願っていた儚い少女の命を奪ったのは。
実の母親。
流石にでも気分が悪くなる惨劇。
しかし、栞が殺されたシーンだけではなかった。
栞を抱える父親の瞳は涙で濡れていた。
だと言うのに、父親は感情に任せて母親を殺した。
そして自ら命を絶った。
「此れは…栞ちゃんの……」
やっとの思いで口を開くとの両頬は涙に濡れていた。
「酷過ぎるよ…」
どんなに今の状況で叫んだとしてももう二度と戻らない3人の命。
重過ぎるこの現実を、だけが知っている。
−だからこそ死んでも猶救われない−
暗い世界に人影。
…栞の父親である。
「如何して」
−もう此処から出れる…その時に−
そうしてに何かを手渡した。
確認しようと掌に乗せられた物を見ようとした時、の意識は飛んだ。
「あれ、先輩じゃ」
書斎の前を通りかかった彼等の中で鳳がを見つけた。
蹲って眠っている。
呼吸は正常だった。
「大丈夫か?」
汗を掻き魘されていた。
「」
声を掛け身体を強請るとゆっくりと眼を開けた。
「……あ、れ」
先程と居た場所が全く違う為か少し混乱している。
辺りを見渡し全員居る事を確認しては息を吐いた。
あ…そろそろ終わりが見えて来そうです。
でも、まだまだ寄り道しそうです…。
と言うか、あそこまでの表現なら良いのでしょうか…。
グロい表現って何処迄なら良いんでしょう。
一応かなりカットして書いたんですけど。
もしあまり宜しくない様なら教えて下さい。
2005/08/11